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5.ジルコンの測定及び解析

地熱開発において、ジルコンの測定及び解析は、以下の目的のために使用されます。

(A) 地層区分
地熱地帯で採取されたコアやカティングスは、強い熱水質を受けているために、原岩を確認することが困難な場合があります。ジルコン(ZrSiO4、図5-1)は、各種の火成岩や変成岩に一般的な副成分鉱物として普遍的に含まれており、また堆積岩類の主要な重鉱物の一つでもあります。さらに、ジルコンは化学的に安定であるため変質岩中にも残存しており、また、結晶形や含有量が、含まれる母岩の岩型によって様々に変化します。したがって、ジルコンの結晶形を体系的に分類したり、含有量を測定することにより、地層区分や岩型区分に役立てることができます。
弊社では、この手法の提唱者である九州産業大学 林正雄教授の指導のもと、ジルコン結晶形の解析手法(図5-2)を実際の地熱井に適用し、開発地域内に小規模な陥没帯を見出しました(図5-3)。この陥没構造は、精密重力探査結果よっても支持され、さらに、陥没構造形成している断層周辺に、熱水貯留層の存在も確認されています。
(B) 年代測定
以上のように、ジルコンについては結晶形のみならず、FT及びTL年代測定結果などを含めて総合的に解析することにより、地熱系の地質構造や地熱構造を明らかにすることができると考えられます。

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