4.コア断裂系解析
コア中に認められる断裂(図4-1)の走向・傾斜を求めることは、開発地域の地質構造を推定し、地熱流体の通路を探る上で重要な手法です(図4-2)。しかし断裂の傾斜は、容易に測定できますが、走向はコアの方位が定まらないため、測定することができません。そのため、走向・傾斜を考慮したコア断裂系解析は、ほとんど実施されていません。最近では定方位コアの採取技術も開発されていますが、費用が高いため、なかなか採用できないのが現状です。
そこで弊社では、NEDOと共同で岩石中の自然残留磁気を利用してコアの方位を定め、断裂の走向・傾斜を測定・解析するシステムを研究開発しました(図4-3)。
本手法は、地熱開発において、主要な熱水貯留層となっている断裂の走向・傾斜を推定するのに役立っています(図4-4)。オールコアが採取されている地熱井では、貯留層の位置や広がりを把握する上で有効な解析手法と考えられます。
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