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RBFネットワークによる警戒避難基準雨量の設定方法

非線形土砂災害発生危険基準線の設定

警戒避難基準雨量とは、土石流やがけ崩れなどの土砂災害の発生を降雨状況から予知予測する手法の一つです。この基準では、過去の土砂災害の発生実績等をもとに、土砂災害が発生する危険性が高くなる基準(土砂災害発生基準線:(Critical Line;略してCL))を設け、自治体の避難勧告発令を決定する際の一つの目安として利用されます。

しかし、避難勧告が発令されても、実際に土砂災害が発生しなかった場合は、逆に住民の危機意識が薄れる可能性があることから、「土砂災害発生を的中させる」と共に、「非発生時の空振り率を低く抑える」必要があります。

当社は、これまでの手法よりもさらに精度の高い、警戒避難基準雨量の設定手法をご提案します。

非線形土砂災害発生危険基準線の設定

RBFネットワークによる非線形CL設定のメリット

<従来の線形CLの問題点>
  1. 1. 複雑な自然現象を直線で区分するため、非発生降雨の空振り率が高くなる。
  2. 2. 発生データが無い場合や、少ない場合のCLの設定が技術者の経験・主観に大きく影響される。
<非線形CLのメリット>
  1. 1. 非発生降雨の的中率が向上(空振り率低下)
  2. 2. 非発生降雨のみで精度の高いCLが設定可能

非線形CLのメリット

RBFネットワーク(Radial Function Network)による非線形CLの設定

<RBFネットワークとは>
RBFネットワークは、脳や神経回路網をモデルとした階層構造で入力層、中間層、出力層の3層からなり、中間層の出力にRBF(放射基底関数)を用いています。このRBFネットワークは、非線形判別に優れた手法とされています。
<非線形CLの設定の概念>
入力層となる降雨データ(発生、非発生)は、対象年数によって10万個以上の膨大なデータが発生する上に、降雨データの分布に偏りがあります。これらの入力データは格子状に設定した中間層の基底関数(ガウス関数)によって処理され、この中間層での出力結果は、重み付けと重ね合せによって発生・非発生判別境界面を構築します。

RBFネットワークの構造

降雨データ整理の概念

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